2007年3月5日月曜日

破産せんでもええときもある

 長年サラ金の借金生活が続いて困っている人がおる。
 しかし、長年支払えば支払うほど、実際の借金は0円になっている可能性が高いんや。
 サラ金業者は、利息制限法を超える利息をとってるから、余分な利息を元金の返済にあてたとして
計算をし直すと、なんとびっくり!借金が0円になってることもあるんや。
 借金が0円になってなくても、何社かから、余分に支払っていたお金が返ってきて、その金で弁護士報酬を支払えば、実質タダで破産や民事再生の手続きがとれることもあるんや。

2007年2月28日水曜日

相続人がよーけおるときはこうせぇ

 おばあちゃんが、不動産を管理してたものの曾じいちゃんの名義のままやった。
 相続人を確認したら、20数名。どーすんねん。
 遺産分割調停を申し立てる前に、全員に手紙を送って反応を見る。委任状を送ってくれたり、勝手にして下さいと言われたら、そのまま申し立てて進行や。
 ところが、中に外国を行って行方知れずの相続人(外務省領事部も当該国の駐日大使館もよう調べんときた)、認定死亡になってる相続人がおるんや。
 外国に行って行方知れずの人(最後の住所地も不明)は、東京家裁が一元的管轄をもってるから、
ここへ申し立てて、関西の家裁へ移送上申や。もちろん、不在者の財産管理人候補は、こっちで予め決めて出しとかなあかんで。
 認定死亡は、戸籍上死亡というだけで、死亡の法的効果が発生するわけではないから、相続は発生しておらず、戸籍上死亡となっている人の不在者の財産管理人を選任してもらう訳や。
 これでようやく、全当事者そろい踏み。遺産分割調停へという訳や。

2007年2月27日火曜日

供託のコツや

 供託、供託って、簡単に考えたらあかんで。
 法務局も訳の分からん金を預かれんから、簡単には認めてくれんで。
 まず、供託課へ供託の書面を予め作成してファックスや。
 それで、事前相談する。この事前相談ちゅうのは、法務局でも裁判所でも
通用する話やで。
 ファックスをしてたら、すぐに供託課から、連絡があって、訂正やいろいろ事情を聴取される。
 これを突破すれば、晴れて供託。
 最後に、担当官の名前を鉛筆で書き込んで、○○様了解済みとやれば、スルーして終わりや。

2007年2月26日月曜日

株主総会準備

 12月決算の会社の総会準備や。
 総務は、招集通知とかで、色々と細かいことをやってるけど、基本的には、宝印刷とか信託銀行の指導に基づいている。弁護士が関与するのは、総会の運営そのものというのが基本や。
 受付で代理人とか訳の分からん人が来たときの対処、総会の台本チェック、想定問答集のチェック、
リハーサル、当日は、事務局に入って特に打ち切りのタイミングを図ることが最も神経を使うことになる。もちろん、変な質問があったときとかに備えて待機している。ざっとこんなもんやね。
 わしの場合、困った株主役が登録以来板について、あっちこちの社長(総会議長)を怒らせてるね。よう、出入り禁止にならんもんや。けど、これかて、社長が四苦八苦してるのを横目に結構、中間管理職にうけてたりするんや。もちろん、リハの時は、水を打ったように静かになるし、ドン引きの状態でまだ質問かぶせなあかんのやから、結構、しんどいんやけど、総会が終わった後とかに、こそっと「おもしろかったですよ。」とか言ってくる課長とかおるから分からんもんや。
 会社法制定で色々新しい本も出てるけど、『「株主総会ガイドライン」東京弁護士会会社法部編 商事法務研究会』は、必須文献やね。これを読むと、問答の感覚が養われるね。早いこと、新しい版がでないか待ってるで。

2007年2月24日土曜日

「私の財産告白」本多静六 実業之日本社

 上智大の渡部昇一先生が古典的ベストセラー「知的生活の方法」で推薦してた本や。ずっと、読みたいと思ってたけど、現物が手に入らんかった。要するに、給料の一部をずっと天引き貯金し、貯まったところで投資と言うことや。それで、好景気の時は貯金、不景気の時には投資なんや。もちろん、ただの財産運用法を説いたノウハウ本ではなく、人生の過ごし方、本多先生の人生訓が散りばめられた本なんやけど、やはり、ノウハウは生かさなあかん。
 今は、好景気、本多先生によれば、貯金の時期なんかな?わしも貯めてるで。ゴルフの会員権買ってしもたけど。

「腐食生保 上・下」高杉良 新潮社

 生保業界の内部事情を書いたようだけど、そら、生保の営業部隊って女ばかりで、その上の管理職が男ばっかりっちゅう、いびつな構造からしたら、そらあるわなっちゅう話と社内の派閥争いの話や。
 舞台を生保会社にしただけで、相変わらずの派閥抗争とか人事の話。時代は変わっても、企業小説の主題は変わらんな。もっとも、わしは、顧問先の人事の話、結構すきなんやけど。端から見てたら、人事抗争って結構楽しそうに思えるんやけど。

「ウェブ進化論」梅田望夫 ちくま新書

 えらい本やな。インターネットが普及し始めたころ、大学院におったけど、そのときは、まだまだ使いづらいなと思ってた。今は、ホンマに何でも気軽にネット検索や。
 インターネットの可能性とか、そんな甘い話やなしに、社会構造の大変革が静かに進行してる。それに乗れなかったとしても、多分生きていけるだろう。ただ、その大変革を積極的に自分の中に取り込んで、自分自身が変化しなければならない。いろいろな箴言を散りばめながら、読者をそんな方向へ鼓舞しようとする。ウェブ版「学問のすすめ」やな。

2007年2月23日金曜日

修習生就職大変やな

 司法試験合格者を大量に出して、その上、ロースクール乱立や。
 合格者増の音頭をとってきた最高裁も不出来な修習生がたくさん出てきて大あわてや。
 しかも、司法試験に合格しても就職がないときた。わしから言わせたら、以前やったら、司法試験にも合格せんかった層が合格したんやから、就職であぶれても仕方がないんや。
 そもそも、司法なんかそんなにでかいパイがないんやから。その上、就職できたとしても、以前のように、600~700万円(年収)と言われた初任給も一気に下がる。実は、この600万円というのも曲者で、弁護士なんて国保・国民年金、弁護士会費(月4万円以上)を自腹で支払うと実際の実入りは大したことないんや。
 それでも、高給取りのように思われてたのは、自分がとってきた事件の収入は、自分の収入にできたので、結構な副収入があって(要するにアルバイトや)のことやったんや。
 新規参入者の増加で、新規参入者自身の給与も低い水準で押さえられるし、すでに登録してた若手・中堅弁護士も、副収入のあてが減るということで、実はわしらも困るんや。
 これからは、合コンでももてへんで。

任意整理

 借金に困ったら、自殺したり、強盗する前に弁護士や。
 強盗したら、刑務所行きやけど、借金を踏み倒しても刑務所どころか、何のお咎めもありません。
 サラ金やクレジットカードは、法律の改正で、上限金利が引き下げられるけど、改正前つまり、今借金で困っている人は、利息制限法で決められた利息以上の利息を支払わされてるんや。
 そこで、弁護士に相談したら、利息制限法で決められた利率に引き直して計算してくれる。つまり、多く払い過ぎてたお金を計算してもらえる。
 その結果、サラ金の請求金額は、ぐーんと減るし、場合によっては(枠がそのままで7~8年以上続いている場合など)、お金が返ってくることもあるんや。
 市役所の無料法律相談とかで、いっぺん、聞いてみ。

「ゴルファーのスピリット」鈴木康之 ゴルフダイジェスト新書

 わしも弁護士やからと思って、修習時代にゴルフを始めたものの、練習不足で全くうまくならん。しかも、我が家は子供が次々とできてちょっとした人口爆発状態や。子供の世話でゴルフどころやなくなった。そんな中、ふと手にとってしまったのがこの本や。クラブライフとは何かを、ゴルフとはこうあるべきやということを実例を引いて説教する本や。
 こないだ、取引先に誘われてそこそこのゴルフクラブに入会した。「肩書きで呼んだら四打罰」とか書いてあったから、肩書きは関係ないと思って名刺を持っていかなかったら(弁護士は、常に名刺を持ち歩け!とボス弁には言われてたんやけど・・・。)、自己紹介の後、名刺交換!ビジネスチャンスを逸した?!世の中、本の通りにいかんのは、法律の世界も一緒や。

「ウォール街のランダムウォーカー」バートン・マルキール著 日本経済新聞社

 要するに、インデックスファンドを買えということを400何十頁も使って書かなあかんのかいな?
 それが分かっておれば、立ち読みで十分な本やで。